日本長期信用銀行(現新生銀行)の頭取を務めた大野木克信(おおのぎ・かつのぶ)氏が10日に死去していたことが24日、分かった。80歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。金融業界が大転換を迫られた時期に、経営破綻直前の長銀のかじ取りを担った。
大野木氏は東大農学部出身という異色の経歴を持ち、1959年に旧長銀に入行後は企画部長などを経て、前任者が乱脈融資で引責辞任した後の95年に頭取に就任した。
旧長銀の粉飾決算事件で商法違反などの罪に問われ、1、2審は有罪判決を受けたが、2008年の最高裁判決で逆転無罪を言い渡された。「犯罪に当たるとは考えていなかった」と一貫して訴え続けた。