
日野原重明さん(瀧誠四郎撮影)【拡大】
聖路加国際病院名誉院長で看護師養成や予防医学の発展に尽力、「生活習慣病」の言葉を提唱するなどし、100歳を超えてもなお多彩な活躍をしてきた、医師の日野原重明さんが18日、呼吸不全で死去した。105歳だった。29日午後1時から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で病院葬を行う。
明治44年、山口県で牧師の家庭に生まれる。京都帝大医学部を卒業後、昭和16年、聖路加国際病院の内科医に就任。内科医長、院長などを歴任し、平成8年からは理事長を務め、100歳を超えても臨床現場で患者を診察する姿は広く親しまれた。
医師として患者の人格や意見を尊重する「患者本位の医療」を実践。人間ドックの早期開設に尽力したほか、聖路加看護大学に国内初の大学院博士課程を設置するなど、後進の看護師らの育成を進めた。
死生学や人間の心にも関心を抱き著書も多数執筆。平成13年に出版した「生きかた上手」は120万部以上のミリオンセラーに。一枚の葉っぱが生まれ、大地に還るまでを通じて、命のあり方を描いた絵本「葉っぱのフレディ」が12年にミュージカルとして舞台化された際は、企画・原案を担当した。