桜にとってのヒアリ? 「クビアカツヤカミキリ」大暴れ 全国からマニアも集結 (1/3ページ)

クビアカツヤカミキリの成虫=群馬県館林市富士原町の館林高校の桜並木
クビアカツヤカミキリの成虫=群馬県館林市富士原町の館林高校の桜並木【拡大】

  • モモの木の内部を食い荒らし穴を空けた幼虫(群馬県農業技術センター提供)
  • 館林高校の桜並木。幼虫が出すカリントウ状のフラスがネットの上にたまっていた=群馬県館林市富士原町

 ヒアリなど有害な外来昆虫が問題となる中、群馬県館林市などで中国や韓国、台湾が原産の「クビアカツヤカミキリ」による被害が広がっている。人体には問題ないが、産み付けられた幼虫が木の内部を食い荒らし、枯死に至らしめる。被害が深刻なのがサクラ、それも日本人の愛するソメイヨシノだ。館林高校では名物の並木27本が被害に遭い伐採が検討されている。しかも一部昆虫マニアが採集に動き出すなど、拡散の恐れもある。(橋爪一彦)

 クビアカツヤカミキリは体全体が光沢のある黒で首の部分が赤いのが特徴。体長22~38ミリと大型で繁殖力も強い。サクラのほかモモなどの木に卵を産み、幼虫が2、3年かけ成長する間に内部を食い荒らし、木は樹勢が衰え枯死に至るケースが多い。日本産では枯死になることはないという。

 国内では平成24年に愛知県で確認され25年に埼玉、27年には群馬や徳島、東京、大阪、さらに栃木で確認された。27年3月、環境省および農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」に記載し、注意を呼びかけている。

ソメイヨシノの伐採にジレンマも