原因は何か。都内の米国弁護士・弁理士は侵害を立証するのは特許権者(原告)側で、侵害した相手の事実を立証する難しさに加え、「日本の裁判所は損害賠償額算定で(売上高に対する特許の)寄与率を、ロイヤルティー料率に掛け、算定額を下げている。日本独自の方法で企業間の取引実務では通常用いない」と指摘する。
では勝訴率と損害賠償額が上がれば、本当に訴訟件数も増えるのか。実は現代の日本人や日本企業にとって、“紛争”こそが、最も苦手で避けたいことの一つではないだろうか。知財紛争も、損害賠償金より侵害行為さえ差し止められればいいという考え方もある。インフラの問題もある。米国の場合、裁判所の場所、裁判官、賠償金額が蓄積された訴訟関連データベースが発達し、紛争当事者や弁護士はデータ解析に時間をかけている。
特許価値向上を何に活用するために進めるのか、日本人、日本企業としての本格的な議論に期待したい。(知財情報&戦略システム 中岡浩)