
木村屋敷の重要文化財指定へ動いている田中嘉一氏。実は国際的な特許・技術取引の専門家だ【拡大】
実は田中氏は11年前まで経産省系財団のテクノマート事業部で技術取引市場の整備を進め、その後は技術や特許の国際的仲介を自ら実践してきた専門家だ。
「現所有者の利益のためだけではなく、何かしなければいけないと思った。価値ある木村屋敷をぜひ後世に残したい。今後誰かの投機に利用されたなら、木村屋敷の価値はあっという間になくなってしまう」と田中氏。同じことは過去にも知財で経験した。技術や特許が移転先の企業や国で生かされるかどうかは買い手の資質で変わる。買い手が、特許権を乱用して特許侵害の和解金などを要求するパテント・トロールなら訴訟ネタにされ、その学術や産業上の本来の価値は棚上げされてしまう。
「不動産と知財は取引上の類似点が多い。今は不動産業や木村屋敷で手いっぱいだが、少しずつ優良な技術案件を集めている」と笑う田中氏。一段落したら技術取引を再開するようだ。(知財情報&戦略システム 中岡浩)