ある企業幹部は「社内データのオープン化は新事業開発の種となるが、実はグループ企業内でさえ進んでいない」と漏らす。企業ではオープンイノベーションが認知され、知財部門では特許・技術の開放、導入が進みつつあるが、データに関しては未知の課題となっている。
NGIASの狙いはもう一つある。データサイエンティストや、データ関連事業者としての矜持(きょうじ)だ。中村氏は「データや解析手法、結果を正しく扱い、どのような判断を下すのか、一般の素人を絶対ごまかさないという意識を醸成することだ」と真剣に話す。出された結果について専門家として正しく判断し、提供し続けないと、AI・IoT時代を担うべきデータ解析業界が誰からも信用されなくなり、国力低下を招く可能性があるからだ。
キックオフコンファレンスの概要は近く、ウェブ上で発表される。(知財情報&戦略システム 中岡浩)