
リオ大会のテクノロジー・オペレーション・センター=2016年8月(アトス提供)【拡大】
選手村の管理、観客や物品の輸送、チケット販売などは、専門業者のシステムを大会組織委員会が開発する財務会計などのシステムに接続する。組織委の舘剛司テクノロジーサービス局長は「こうした部分にセキュリティー上の弱点を残さないようなシステムの設計が鍵となる」と話す。
◆端末が「踏み台」に
急増するIoT機器もハッカーに狙われている。これまでに、家庭で使われる監視カメラやルーターが乗っ取られるケースが多発している。これらの機器は遠隔操作され、企業サイトに大量のデータを送り付けて、サービスを停止させる「DDoS攻撃」に悪用されていた。
東京大会では、心拍計付きのスマートウオッチなど選手が身に着けて会場に持ち込むものも増えそうだ。意外なIoT機器が、大会システムを攻撃する「踏み台」になる可能性もある。
多くのリスクがある中、東京電機大の安田浩学長(応用情報工学)は、システム整備の進行状況を気にしている。セキュリティー対策をきちんとするためには、システムを早期につくるべきだという。「本番まで3年を切ったのに進行が遅いのではないか。組織委や政府がセキュリティーにかける費用も少ない」
17日間の五輪期間中は、大会のテクノロジー・オペレーション・センターで24時間監視を行う。不具合があってもシステムを止めることはできない。組織委サイバー攻撃対処部の中西克彦課長は「考えられる脅威には万全の態勢を敷き、職員らの訓練を繰り返すしかない」と意気込んだ。