社会・その他

三菱重工の工場跡地、争奪戦に 商業施設や新サッカー場構想も

 長崎市中心部に立地する大規模な工場跡地をめぐり、企業による争奪戦が熱を帯びている。JR九州などが商業施設の建設を視野に、土地を所有する三菱重工業が提示した公募に応札するほか、サッカーJ1のV・ファーレン長崎を運営する通信販売大手ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)は新サッカー場の建設構想を示す。4月下旬をめどに落札者を決める三菱重工の判断に注目が集まっている。

 公募しているのは、南端部がJR長崎駅から約500メートルに位置する三菱重工長崎造船所幸町工場の跡地約7ヘクタール。坂の多い長崎市中心部では貴重な大規模平地だ。総務省によると、2017年の長崎市の人口転出超過数は1888人で北九州市、堺市に次ぎ全国で3番目に多い。こうした背景から三菱側は若者の雇用拡大などの人口減対策を跡地利用における考え方の一つに掲げており、落札条件にするとみられる。

 ジャパネットによると、外資系コンサルティング会社と組んで、5年後をめどに2万人以上を収容できるサッカー専用スタジアムの建設を目指す。ここで音楽イベントも開催するほか、周辺にはホテルやオフィス、商業施設を建てる構想を描く。

 J1初昇格を果たした長崎の現在の本拠地は長崎市中心部から約20キロ離れた長崎県諫早市にあり、周辺に宿泊施設が少ないことなどが課題だ。長崎市にスタジアムが完成すれば集客力向上につながるとの期待がある。

 JR九州が住居や商業施設などの建設を目指すほか、西日本で大型ショッピングセンターを展開するイズミも応札する考えを明らかにしている。

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