日本人が嫌がる仕事を低賃金でやり続けている
そんな“偽装留学生”の労働力によって、私たちの暮らしは支えられている。彼らがいなければ、牛丼などの飲食チェーン店の多くで、24時間の営業は続けられなくなる。コンビニの弁当も現在の値段は維持できないだろう。そのため留学生を雇う企業は、彼らの違法就労に知らんぷりを決め込んでいる。
目を背けているという意味では、顧客として“偽装留学生”の恩恵にあずかる私たちも“共犯関係”にある。その陰で、留学生たちは違法就労への後ろめたさを抱えつつ、日本人が嫌がる仕事を低賃金でやり続けている。
借金漬けで来日する“偽装留学生”受け入れ、まさに国ぐるみで都合よく利用し続けている日本--。彼らに犠牲を強いてまで、私たちは「便利で安価な生活」を維持すべきなのだろうか。
出井康博(いでい・やすひろ)
ジャーナリスト
1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『The Nikkei Weekly』の記者を経て独立。著書に、『松下政経塾とは何か』『長寿大国の虚構-外国人介護士の現場を追う-』(共に新潮社)『年金夫婦の海外移住』(小学館)などがある。
(ジャーナリスト 出井 康博 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)