徴用工訴訟、日本企業の海外事業に影響も 韓国紙「差し押さえが最も簡単」 (1/2ページ)

29日、ソウルの韓国最高裁に向かう原告ら(共同)
29日、ソウルの韓国最高裁に向かう原告ら(共同)【拡大】

 韓国最高裁は29日、太平洋戦争中に三菱重工業に動員され、徴用工だったと主張する韓国人5人の遺族と、いわゆる朝鮮女子勤労挺身隊員の韓国人女性ら5人が同社を相手に損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審で、いずれも賠償支払いを命じた2審判決を支持し三菱側の上告を棄却、同社の敗訴が確定した。

 韓国最高裁が新日鉄住金に続き、三菱重工業に対しても損害賠償の支払いを命じる判決を下した。今後、原告側が賠償金を確保するため米国など第三国にある資産の差し押さえを求めて訴えを起こす懸念もある。問題が日韓両国を超えて広がれば、日本企業の海外ビジネスに理不尽な形で水が差されかねない。

 三菱重工グループの韓国拠点は、完全子会社の三菱重工コンプレッサと三菱商事の合弁会社と、火力発電事業を行う三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の現地法人がソウルにある。

 ただ、両法人は韓国での営業活動やアフターサービスを担う小規模な組織で、生産拠点はない。三菱重工も「訴訟対象と別法人の資産を差し押さえることは、考えにくい」としている。

 一方、韓国紙・中央日報は賠償金を確保する上で「売上債権を差し押さえるのが最も簡単な方法」との見方を報じた。また原告側弁護士は、韓国外に保有する資産の差し押さえに動く構えを示している。

 日本の裁判所で資産の差し押さえが認められる事態は考えにくいが、日本企業が多くの資産を持つ米国などで、人権問題に絡めて訴訟を起こされた場合、敗訴する可能性は否定できない。

「対韓投資やビジネスの障害になりかねない」と経団連