「派手な経験」採用基準で重視せず 日常生活から得た学びが重要
【Q】貴重な大学3年生の夏休み、特別な経験もせずに終えてしまいそうです
【A】「そこから何を得たか」が重要。日常生活からの学びを振り返って
毎年多くの大学が、次年度に就職活動を控える学生を対象とした「就職ガイダンス」を夏休み前に開催します。就職活動の大まかな手順や各種支援サービスを紹介し、学生の不安を取り除くよう努めています。同時に、学生が自ら意欲や能力を高める必要性も訴えられます。就活時期が繰り下げになる現3年生が対象の今年は特に、夏休みの有効活用を促す傾向が一段と強まっているようです。
語学習得、ボランティア、海外インターンシップ、NPO法人運営…。これまでにない新しい取り組みは知的好奇心を刺激し、視野を広げる絶好の機会。しかし、そうした「特別な」経験をするには、これまで続けてきたアルバイトやサークル活動に注ぐ時間や費用を削減せねばならず、ジレンマを感じる人も少なくありません。
特別な経験は就活上、有利に働くのでしょうか。就職みらい研究所の『就職白書2014』によると、企業が採用基準で重視する項目として、「海外経験」を挙げた企業は全体の5・8%、「ボランティア経験」は6・1%、「インターンシップ経験」は3・6%。経営者や人事担当からは、こんな声も聞こえます。
「経験の派手さや奇抜さでは選考しない」(建設)、「起業家精神にあふれる人材を強く欲しているが、起業経験は不問」(商社)、「グローバル展開を強化しており、海外経験談は興味深い。しかし、目的意識が薄い場合、かえってマイナスに働くことも」(化学)-。
必ずしも特別な経験が就活でモノを言うわけではありません。企業は顧客に価値を提供し、その対価として利益を獲得します。企業に必要なのは、そうした活動のできる人材。就職活動を終えた先輩は「面接では『これまでで一番頑張ったこと』を聞かれるよ」と言いますが、採用の判断材料で重要なのは入社後の活躍の可能性。過去の経験を尋ねるのはそれを探るための手段にすぎないのです。
夏休みも残りわずか。今から何か新しいこと(what)を始めようと焦るのではなく、今までの経験を通じて、自分が何を得たのか(so what)に着目し、自らの経験や能力の棚卸しにしっかり取り組んでほしいと思います。(リクルートキャリア『就職みらい研究所』所長・岡崎仁美)
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