色とりどりの「野菜パウダー」に注目 手軽に栄養素不足を補う

 
野菜パウダーが並ぶ製菓・製パン材料専門店「クオカショップ自由が丘本店」=東京都目黒区

 ドレッシングやしょうゆなど調味料の粉末化ブームに続き、野菜を乾燥、粉砕した野菜パウダーが注目されている。小松菜のグリーンや紫イモのパープルなど色がきれいで野菜の甘味もある。これまでは、もっぱら製菓・製パンの色づけに使われてきたが、健康意識の高まりを受け、最近はヨーグルトやジュースに混ぜて手軽に野菜不足を補う使い方が広まっている。(寺田理恵)

 自然の甘味と色

 生鮮野菜と違い、野菜パウダーは洗って皮をむいたりゆでたりしなくても、開封してすぐ料理に混ぜるなどして手軽に使える。長期保存ができるのもメリットの一つといえる。

 「クッキーやパンケーキに混ぜ合わせて自然の色と甘味をプラスするのに使われるもの。手軽に野菜が取れるので、購入者は子連れの女性が多いのですが、ヨーグルトに混ぜるなど、きな粉感覚で召し上がる年配の方も増えています」

 こう話すのは製菓・製パン材料専門店「クオカショップ自由が丘本店」(東京都目黒区)の岡里ゆかり店長だ。

 同店では野菜パウダーと、トマトやホウレンソウのパウダーを混ぜたホームベーカリー用食パンミックス粉を販売。以前は店頭で野菜パウダーを見つけて買う客がほとんどだったが、最近は野菜パウダーを知ったうえで探しにくる客が増えたという。

 農薬や農業生産資材を扱う三笠産業(山口市)は自社の微粉砕技術を使い、平成16年に野菜を微粉末にした「野菜ファインパウダー」を製品化、種類を増やしてきた。製菓・製パン・製麺の業務用のほか一般向けにホウレンソウ、紫イモなど15種を販売する。一般家庭では色のきれいな小松菜やカボチャ、紫イモのパウダーをパンなどに入れたり、ゴボウのパウダーを鶏団子や炊き込みごはんに混ぜ、香りを付けたりするという。

 人気のあるパウダーはレンコン。広報担当者は「ヨーグルトと混ぜて取る人が多い。『乳酸菌と一緒に取ると体質改善につながる』といわれており、粉末だと手軽なので好まれるようだ」とする。「レンコンに限らず需要が伸びてきている。いろいろな使い方を知ってほしい」といい、自社サイト「便利野菜」でレシピを公開している。

 健康食材として

 お茶製造卸しの梶商店(大阪府東大阪市)は昨秋、「日本の野菜パウダー」9種を発売した。もともと国内外の健康茶や、穀物を原料とするお茶などを販売しており、約2年前にアンチエイジング効果が話題になったゴボウ茶ブームをきっかけに野菜パウダー製造に乗り出した。

 同社では「最近は野菜の乾燥機を備えた農家が増えている。ゴボウ茶の原料を調達していた農家から、乾燥野菜が余っていると聞き、うちの販路で売れないかと考えて商品開発に着手した」とする。野菜のほか、黒豆や玄米のパウダーも製造。茶がゆや小豆茶ラテなどお茶屋さんらしいレシピを紹介している。

 健康食材を手軽に取れるとして、じわじわと浸透してきた野菜パウダー。ジャガイモやカボチャも裏ごしせずに離乳食を作れるため、赤ちゃん用品店でも売られており、用途が広がっている。

 ■離乳食に野菜フレークも注目

 薄片状の野菜フレークも、離乳食として注目度が高まってきた。約30年前から北海道産の野菜フレークを生産している大望(北海道幕別町)によると、冷たいものにも溶けやすいのがフレークの特徴という。

 原料がジャガイモやカボチャなどの野菜のみで添加物や着色料、保存料を使わないため、離乳食としての需要が高く、この10年でフレークの種類や作付けする野菜の量を増やしている。長井寛嘉専務は「手軽に野菜不足を補えるため、東日本大震災後に保存食として注目され、スムージーなどに混ぜて飲む人もいる。最近は、育児雑誌で使い方が取り上げられて知られるようになってきた」と話している。