内々定をもらったけれど… 就活は続けたほうがいいの?
【Q】内々定をもらいましたが、就職活動を続けるかどうか迷っています
【A】「入社後、いきいきと働くイメージができているか」を、もう一度自分に問い直してみよう
先日、すでに企業から内々定の通知を受けたという男子学生と話をしました。彼の悩みは「この先も就職活動を続けるかどうか」ということ。理由を尋ねると、「夏場の就職活動は辛そう。内々定をもらっている企業に行くのか、当初から興味のあった企業の選考をこれから受けるか迷っている」という答えでした。
今回はそうした悩みに応えるヒントを紹介します。
就職みらい研究所では、「就職活動と入社後の就業に関する調査」を実施しました。調査結果を基に研究も行っています。
研究成果の一つとして分かったことが、「社会人になるための心の準備」の重要性。就職活動を通じて自己理解が深まり、社会人としてやっていける見通しを持つことが、入社後の満足感や離職意思に関係しているということです。
つまり、就職活動を終えて社会人としての心の準備が整うことは、入社後の働きぶりや適応・定着にポジティブな影響を与え、職業人生の大切なポイントになるということです。
私立大学を卒業したばかりの女性のNさんを例に紹介したいと思います。
Nさんは、就職活動を通じて4社から内々定をもらい、どの企業に入社すべきかを迷っていました。選択の過程で頭に浮かんだのが、「そもそも私はなぜ、働こうと思っているのか」という心の声。彼女は徹底的に考え抜いた末に、「自立した女性でありたい」という結論に至りました。
次に、「どのような状況なら、自分は頑張り続けることができるのか」を振り返ったところ、「自分の強みを生かし、人から期待されているときに力を発揮できることが多い」ということを再認識したそうです。それが実現できるかどうかの軸で企業を比較。最終的には、クライアントの課題を一緒に考え、課題解決に取り組んでいる企業に入社を決めました。
社会人1年目の彼女に会い、近況を聞きました。「どうすれば自分がいきいきと働くことができ、幸せな未来をつかめるかを考え抜いた末に入社を決めたので、毎日、忙しいけれど頑張ることができています」と話してくれました。
就活中は「内定=ゴール」という考えになってしまいがちですが、大切なことは「入社後にいきいきと働くイメージを持てるかどうか」を自分に問い直すこと。迷いがあるなら、これからも出会いのチャンスを広げることが可能です。
自分らしさを生かし、活躍していることがイメージできるかという視点で、もう一歩、活動を進めてほしいと思います。(リクルートキャリア『就職みらい研究所』研究員・岩元洋介)
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