エントリーシートのコツを教えて! 自己PRは具体的なエピソードで

 

 【Q】企業に提出するエントリーシートがうまく書けません。コツはありますか?

 【A】経験にとらわれず、書き方のコツを押さえ、伝わる文章になるよう心掛けましょう

 今回はエントリーシートの書き方のコツを紹介します。

 エントリーシートに限らず、応募書類の内容で多いのは自己PRです。特別な経験がないから、何を書いていいのかわからないという相談を多く受けます。リーダーの経験、部活動やコンテストでの優勝経験などを書かなければならないとイメージしている学生が多いようです。

 企業が見ている視点は、「すごい経験」ではなく、「自社でどのように活躍してくれるのか」というもの。真面目にコツコツ勉強してきたことや、1つのアルバイトを続けてきた中で身に付けたことなど実体験に基づいたエピソードで十分、PRすることができます。経験の派手さにとらわれず、日頃大事にしていることを思い出すことから始めてみましょう。

 書くテーマが整理できたら、書き方のポイントを押さえましょう。まずは、伝えたいポイントを1つに絞ることです。限られた文字数の中で、多くのことを相手に伝えようと思うと、伝えたいことがぼやけてしまい、逆に相手に伝わりません。「一番伝えたいこと」だけに絞って書いてみましょう。

 次に、エピソードを具体的に書くことです。伝えたいテーマをエピソードを通じて訴えることで、読み手が具体的なシーンをイメージでき、理解が深まります。5W1H(なぜ、いつ、どこで、誰が、何を、どのように)を意識して考えていきましょう。

 最後のコツは、簡潔に書くことです。1つの文章が長くなりすぎない。主語・述語を明確に書く。専門用語を多用せず、誰でもわかる言葉を使うなど、読みやすい文章になるよう心がけましょう。

 エントリーシートを読む企業の人はさまざまです。「これを書けば必ず合格する」という正解はありません。まずは、書き方のコツを押さえて書いてみましょう。それをほかの人に見てもらい、伝わりにくかった部分を書き直すことを繰り返せば、内容や使う言葉がどんどん磨かれて、相手に伝わりやすい内容に改善していくでしょう。

 社会人になれば、日常的に文章を書くことが求められます。良い機会ととらえ、文章を書く力を伸ばしてみましょう。(リクルートキャリア『就職みらい研究所』主任研究員 戸川博司)

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