テーマが普通すぎて、他の学生と差別化できない? 自己PRは伝え方が大切
面接などの選考解禁の6月を待つこともなく、キャリタス就活エージェントの会員学生でも内々定を獲得した方が出始めてきました。選考を通じて評価される段階となり、学生の明暗が分かれ始めています。
面接で不合格だった学生からの相談で多いのが、「自己PRのテーマを変えるべきか」ということです。平成28年卒業の先輩も、就職活動でアピールしていたテーマはアルバイトやサークル、勉強などが多かったのですが、テーマが普通すぎて、他の学生との差別化にならないと悩んでいる方が多いようです。
しかし、差別化すべきは自己PRの能力です。テーマは何でもいいのです。しっかりした面接官ほど、普段の学生生活の中で発揮してきたことを聞きたいと思っています。それこそが会社に入ってからも常に発揮できる能力だからです。「どう考え、どう行動してきたか」。それをどう伝えるか。結果のすごさではありません。
企業によってテーマやPRする能力を変えるという学生もいますが、多くの学生は企業の求める能力に合わせようとすると、つじつまが合わなくなり、本来の良さを伝えられなくなります。自分が一生懸命やってきたことで自分の長所をしっかり伝える。それで不合格となったら、入社できてもミスマッチだったと割り切る気持ちも必要です。
「面接での嘘はどこまで許されますか」という質問もよくされます。もちろん全く根拠のない嘘は論外です。特に自己PRに関する嘘は、もし内定を得ても入社後に、ばれてしまいます。しかし、志望動機や志望度に関しては、就活を通じて変化するものですし、選考を円滑に進めるために「話を盛る(大げさに言う)」ことはあるでしょう。
「第一志望です」と言わないと面接が通らない企業も存在します。「待遇がいい」とか「知名度が高い」など正直に志望動機を言いにくい企業もあるでしょう。しかし、話を盛りすぎて引っ込みがつかず正直に話せなくなり、選考途中や内定後に企業から逃げてしまう学生が毎年います。
採用担当者がいつも残念に思う自己PRや志望動機は「いかにも作りこんできた話」しか出てこなかったときだと聞きます。受かろうとし過ぎて、自分を飾り過ぎてしまうのはもったいないです。
面接官はさまざまな質問で学生の素を見ようとします。
冷静に、論理的に話すことを心がけ、自分は「どう考え、どう行動する」のか、「その企業で何をしたいのか」を、意識して面接に臨んでください。(キャリタス就活エージェント部長 桑原博之)
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