日本式介護 アジアへの民間進出後押し 政府が官民輸出プロジェクト構想
政府、与党は、高齢化が進む中国やタイなどアジア地域に日本の介護システムを輸出する官民連携プロジェクト「アジア健康構想」を今夏スタートさせる。内閣官房を司令塔とし、日本の介護事業者が現地展開する際に障壁となる規制の緩和などを政府間で協議。国際協力機構(JICA)や政府系ファンドの融資制度を活用し、海外進出を後押しする。
介護の国際展開は成長戦略の一環。自民党も構想推進の提言をまとめている。日本のような公的介護保険制度はアジアでも珍しく、施設が一定程度整備され、介護を担うプロの人材を育成する仕組みも整っている。きめが細かく質が高いと定評のある日本のケア技術や施設経営のノウハウはアジアでも広がる余地があるとみられ、今後深刻な高齢社会となるアジアで高齢者が安心して暮らせるよう基盤を整える。日本の介護事業者の収益拡大に加え、福祉用具やロボットの輸出増につなげる狙い。 内閣官房の健康・医療戦略室の主導で今月、経済産業、厚生労働、外務など関係省庁の局長級会議が発足。7月にも基本方針をまとめ、事業者との会議を開く。アジア進出を検討中の事業者のニーズを把握し、現地の事情や制度の違い、規制の有無などを調査する。地域全体の官民ネットワークも構築し、「日本式介護」の売り込みや資金調達を政府が支援する。
日本では経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入れており、さらに政府は技能実習制度に介護分野を追加する方針。現地ではケアの技術を持つ人材が不足しているため、EPAなどで来日して介護を学び、母国に戻った人の雇用も視野に入れる。
国連のまとめでは、アジアの高齢化率(2015年)は、日本の26.7%に対し、中国9.6%、タイ10.5%とまだ低いが、高齢化のペースは日本より早い。しかし日本の介護保険のような公的制度があるのは韓国など一部で、サービス提供体制も不十分とされる。
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