高齢者の活用 若者へしわ寄せ待遇改善は途上
少子高齢化や年金支給年齢の引き上げで、高齢者の働く機会が増えてきているが、待遇改善は途上にある。一方で、高齢者の待遇を向上させると、若い世代に給与削減などでしわ寄せがいくとの指摘もある。
厚生労働省の2015年の調査によると、65歳までの雇用を確保している従業員31人以上の企業14万7740社のうち、定年廃止は2.6%、定年の引き上げは15.7%、嘱託など継続雇用制度の導入は81.7%だった。
定年廃止や引き上げが少ないのは、人件費の上昇を懸念している企業が多いとみられる。
仕事内容と待遇のギャップも課題だ。5月には再雇用された運送会社の運転手が、仕事内容が定年前と同じなのに賃金が引き下げられたのは不当だとした訴訟の判決で、会社側に定年前と同水準の賃金支払いを命じ、注目が集まった。定年を延長した場合、60歳未満の給与が減らされる例も多い。特に子育て世代の手取りが減れば、少子化に拍車をかける可能性もある。
みずほ総合研究所の堀江奈保子上席主任研究員は「65歳が支えられる側から支える側になる中で、定年延長は一つの選択肢になる。ただ、フルタイムで働きたくないという人もおり、選択の確保が大事だ」と話す。
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