『マイナス金利にも負けない究極の分散投資術』朝倉智也・著

書評

 ■「運用の中身の見直し」を強調

 日銀のマイナス金利政策で投資環境が激変、お金を預貯金に置いておくだけでは資産を守れない時代になった。資産運用は今や、「資産を守るため」の手段として重要性を増している。だからこそ相場が上がった、下がったと一喜一憂する運用から脱却し「運用の中身を見直すべき」と著者は強調する。

 本書では混乱する市場の背景を分析し、個人投資家が置かれている状況を俯瞰(ふかん)。さらにマイナス金利下で高いパフォーマンスを上げるポートフォリオを紹介し、分散投資と長期投資の継続を勧める。先が読めないだけに、世界ナンバーワンの投信評価機関トップの言葉に耳を傾けたい。(1620円、朝日新聞出版)