鳥取市民のソウルフード「素ラーメン」って? 県産小麦の自家製麺で登場
自家製麺を使った素ラーメンの試食会=鳥取市の武蔵屋食堂
鳥取市民の“ソウルフード”として半世紀以上親しまれてきた「素ラーメン」。その元祖「武蔵屋食堂」(鳥取市職人町)が県産の小麦を使った自家製麺で素ラーメンを提供することになった。県産の食材で安全安心なグルメを楽しんでもらおうというもので、6日から提供する。
これまで外国産小麦の麺を仕入れていたが、県の中小企業の経営革新の補助金を受け、製麺所と製麺機を導入。6月から、同店4代目の吉村泰行さん(43)らが自家製中華麺を試行錯誤してきた。小麦は鳥取市内と県西部で作られた県産を50%、その他の国内産を50%使用。やさしい味のスープに合うよう香りと食感を工夫、柔らかめのコシの縮れ麺に仕上げた。
新しい麺を使った素ラーメンを披露する試食会が4日、同店であり、常連客や近隣の人らが参加。市内の主婦、田中加奈さん(33)は「麺は小麦の香り、もちもち感があっておいしい。あっさりとしたスープとからんで食べやすい」と満足そうだった。
また試食会では、県産の農林水産物やその加工品を積極的に販売・PRしているとして、平井伸治知事から「食のみやこ鳥取県」推進サポーターの登録証が、吉村さんに手渡された。
素ラーメンは同店2代目の虎男さんが昭和30年頃に考案。カツオとコンブなどでとった和風だしのスープで、具はモヤシ、ネギ、かまぼこ、天かすとシンプル。“庶民の味”として親しまれている。
県産小麦の生産量は平成27年で約70トンと少なく、同店では今後の生産拡大に合わせ、県産の使用比率を高めたい考え。吉村泰行さんは「子供のお客さんも多く、安全安心に食べてもらいたいと麺の自家製に踏み切った。地産地消に貢献し、鳥取を盛り上げたい」と話した。
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