台風影響で野菜高騰 冷凍・加工品の活用で対策
8月中旬以降に相次いだ台風の影響で、北海道や東北産を中心に野菜の価格が高騰したまま高止まりしている。タマネギやジャガイモ、ニンジンなどの価格は例年の1・5倍以上。冷凍野菜や加工品を活用して家計への影響を抑えたい。(中井なつみ)
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◆多くの品目に影響
夏~秋にかけてはさまざまな種類の野菜の流通量が増え、価格も下がることが一般的。しかし、今年は台風10号など8月に相次いで上陸した台風の影響で値上がりが続いている。
農林水産省が14日に発表した野菜5品目(タマネギ、レタス、トマト、キュウリ、キャベツ)の小売価格調査では、9月5~7日の全国平均価格が、レタスは前週の約3割高、キュウリが同1割高など高値で推移している。レタスは2週連続、キュウリは4週連続で上昇した。台風の影響により東北地方で収穫が遅れるなどして出荷量が減ったため。タマネギは、8月中旬に価格がピークになってから高止まりし、平年より約4~5割高い状況が続く。
東京都中央卸売市場の2~8日の卸売価格も、北海道産のニンジンが前週に比べ約4割、ダイコンが約1割、青森産のトマトが約2割高い。
◆家計を直撃
東京都練馬区のスーパー「アキダイ関町本店」では、4個入りのタマネギが昨年より5割高い238円、3本入りのニンジンは1・5~2倍近い150円、ジャガイモは3割高い1袋250円で売られている。
同区の女性会社員(34)は「作り置きにも便利なカレーは、節約メニューの定番だった。付け合わせのサラダに使う野菜も高いから困る」と話す。
アキダイの秋葉弘道社長によると、台風以外にも大雨や高温により各地で野菜の生育が悪かったことも価格を押し上げる要因になっている。タマネギは春先の出荷量が多い佐賀県でカビが流行し、北海道産入荷への期待が高まっていたところで台風が直撃した。
「多くの野菜が品薄。仕入れも取り合いで、今後も高値が続きそう」と話す。
◆のりきりレシピ
家庭でできる対策はないだろうか。料理研究家の小山有紀さんは「価格が安定している冷凍野菜や、トマト缶など缶詰に加工されている野菜を利用してみては」とアドバイスする。
小山さんによると、冷凍野菜や缶詰の野菜は、収穫したての状態をすぐにゆでるなどして加工されたものが多く、栄養価が損なわれにくい。加えて、下ごしらえなど調理の手間も省くことができるので、一石二鳥だという。
また、最近は切り干しダイコンのように乾燥させた野菜の種類も豊富になっており、小山さんは「乾燥させたゴボウやニンジンなどもある。生鮮野菜売り場以外にも目を向けてみると、手頃な価格で手に入る野菜がたくさんある」と話す。
また、全国で料理教室を開くベターホーム協会(東京都渋谷区)では、ホームページ上に「野菜高騰のりきりレシピ」を掲載(http://www.betterhome.jp/public/release/yasai.php)。ダイコンの葉の部分やニンジンやレンコンの皮を使ったきんぴらなど節約メニューを紹介している。
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■スープカレー店「困る」
野菜価格の高騰は飲食店にも深刻な影響を及ぼしている。スープカレー専門店「イエローカンパニー」(東京都渋谷区)では、カレーに欠かせないタマネギやニンジンが値上がりしたため、利益が減った。大竹雅人店長(42)は「一品に使う野菜の量を減らすと味に影響が出るので困っている」と話す。
同店の野菜はほとんどが北海道産。スープの材料とするタマネギは1回の仕込みで約20キロを使うが、8月中旬以降、仕入れ価格が昨年同期の約2倍に上昇した。ジャガイモとニンジンの価格も約1.5倍に高騰している。
大竹店長は「こんな状態は初めて。影響がいつまで続くか見通せない」と不安そうに話している。
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