山谷修作氏「ごみゼロへの挑戦 ゼロウェイスト最前線」
著者は語る□東洋大学経済学部教授・山谷修作氏
■地域の経営戦略に減量・資源化取り込みを
ごみ減量への極限までの挑戦として、ゼロウェイストの取り組みがグローバルな広がりをみせています。その背景に、埋立処分場の限界や地球環境問題の深刻化があります。お隣の韓国で、一般家庭が生ごみをリサイクルするため、可燃ごみとは別に分別排出していることを、読者はご存じでしょうか。居住者の半数が家庭で英語以外の言語を話すといわれる米サンフランシスコで、生ごみ分別収集・堆肥化の取り組みにより、リサイクル率が80%に達していることも驚きです。
こうした最前線の取り組みは、埋立処分場が切迫し、生ごみを含めたリサイクルやごみの究極的な発生抑制に本気で注力する必要に迫られての施策でしたが、ごみ減量が住民の日常生活にビルトインされて、ライフスタイルも環境配慮型に変わっているようです。著者はかねて、ごみの処理や減量・資源化の推進にあたって、ゼロウェイスト戦略が4つのL、すなわちローカル(地域振興)、ローテク(伝統技術活用)、ローインパクト(環境負荷低減)、ローコスト(経費節減)をその指針とすることに関心を抱いてきました。
身近な自治体のありふれたプログラムにも4Lの実践例が見いだせます。全国各地の自治体が注力する生ごみ自家処理については、段ボールコンポストキットなどの作製を障害者福祉作業所に委託して地域の雇用を生み出すことができ、キットの購入に思い切った手厚い助成をすることで多くの住民が堆肥化に取り組めば、可燃ごみの処理コストを削減でき、しかも環境負荷の低減につなげることができます。ごみゼロを目指すには、家庭系可燃ごみの半分近くを占める生ごみのローテクな資源化が鍵となります。
ごみ減量の取り組みを雇用創出や自治体の経費節減、環境負荷の低減につなげる発想として、自治体が住民や事業者との連携の下に、ゼロウェイストを地域の経営戦略に取り込むことを提案したいと思います。(2376円 丸善出版)
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【プロフィル】山谷修作
やまや・しゅうさく 中央大学大学院博士課程修了。1978年東洋大学経済学部講師、同助教授、ミシガン州立大学客員助教授を経て、現職。公共料金の研究からスタートし、90年代半ばから、ごみの研究に専念。全国各地に足を運んでフィールドワークを実施している。自治体審議会の取りまとめ役を多数歴任。自宅や研究室で生ごみ堆肥化にも取り組む。新潟県出身。
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