乳・卵巣がんリスク 低コストで遺伝子異常検査

 

 乳がんや卵巣がん発症の可能性が高まるとされる遺伝子の異常を低コストで調べることができる新たな検査法を、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の井ノ上逸朗教授(人類遺伝学)らが開発した。

 検査で調べるのはBRCA1、BRCA2という遺伝子。本来はがんを抑制する働きをするが、異常があると十分に機能せず、遺伝性の乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高まるとされる。

 新手法は、検査を受ける人の血液からDNAを採取し、特殊な処理で一人一人のDNAに「目印」を付ける。96人分を一つの容器にまとめ、遺伝子の配列を高速で調べることができる「次世代シーケンサー」という装置にかけ、同時に解析。目印をもとに、一人一人の異常を調べる仕組み。一度に大人数を調べるため1人当たりのコストを下げることができ、現在1人約20万~30万円の検査費用を2万円程度まで抑えられる。

 井ノ上教授は「家族や親族に乳がんや卵巣がんを発症した人がいる場合は、遺伝子検査で早期発見につながる。費用が安ければ多くの人が検査を受けられる」と話しており、2年をめどに実用化し、保険適用も目指す。