プレ金の静岡市、イベント広場でビールで乾杯 百貨店など263の特別企画準備

 
静岡伊勢丹内にあるカフェコムサで開催されたケーキ教室=24日、静岡市葵区(吉澤智美撮影)

 月末の金曜日午後3時に仕事を切り上げ、買い物や旅行、外食などを楽しんでもらう消費喚起の試み「プレミアムフライデー(プレ金)」が24日、スタートした。官民一体でプレ金の普及に取り組む静岡市では市内の百貨店や各店舗などが263の特別企画を準備。仕事を早期に終えて街に繰り出したサラリーマンらを出迎えた。

ハンドケアの無料体験

 自然派化粧品の製造・販売を手がけるLUSHアスティ静岡店(葵区)では、プレ金に合わせて同社製のマッサージオイルやハンドクリームを使ったハンドケアの無料体験を実施。

 仕事を早く切り上げて午後4時すぎに来店した公務員の女性(23)は「普段は仕事終わりだとお店が閉まっていたりしていた。今日はプレ金を自分へのご褒美に使いたい」と笑顔で話した。職場ではプレ金を推奨しており、上司からも「今日は早く帰れそう?」と早期の退社を促されたという。

大人のケーキ教室

 静岡伊勢丹(同区)内にあるカフェコムサでは「大人のケーキ教室」と題してイチゴとマンゴーの果肉でバラのブーケに見立てた直径約12センチのフルーツタルトを製作する特別企画を開催。参加費は4千円で、2回に分けて行われたプログラムに計13人が参加した。

 静岡県藤枝市に住むカフェ店員の小林和子さん(41)は「自分はプレ金ではなく普通に仕事があったが、友達に誘われて参加した」といい、完成したケーキは同じくプレ金ではない夫と一緒に食べる予定だと話した。

屋台のビールやワインで乾杯

 同区の青葉イベント広場では市などで組織する「静岡市プレミアムフライデー官民推進協議会」が主催して午後4時からオープニングイベントも行われ、参加者らが屋台のビールやワインで乾杯した。イベントに参加した会社員の男性は「会社から午後3時に退社するよう言われた。明るいうちからお酒が飲めるなんていいですね」と興奮気味に話していた。

働き方改革に結びつけたい静岡市

 プレ金は経済産業省の音頭で全国一斉に行われるが、静岡市の取り組みが注目を集めているのは、同イベントを単に消費喚起だけにとどめず、企業の働き方改革にまで結びつけようとしている点だ。

 市によると、社員がプレ金に参加しやすい環境作りに努めるとする宣言書を静岡商工会議所に提出した企業は156社に達し、企業側も積極的に関与する形で同イベントの盛り上げに乗り出している。

 同会議所に加盟する従業員30人の市内の建築事務所の担当者は「顧客を抱えている社員もおり、全員が午後3時に仕事を切り上げることは難しいが、社内で事務を担当する社員などはできる限り早めに退社するよう呼びかけた」と話した。