英語で話しているのに外国人をイラっとさせてしまう日本人の振るまい

提供:@DIME

 外国人は、日本人との英語での会話中、日本人が気づかないうちにイラっとすることがあるようだ。しかし、英会話についていくだけでいっぱいいっぱいになる初心者にとっては、そこまで思いもよらない。そこで今回は、外国人に嫌われがちな日本人の会話中のふるまいとその対策を英会話講師の方に聞いた。

 ■日本人の英会話中の嫌われるふるまい7つ

 今回教えてくれたのは、20年以上の教師歴を持つ、英会話イーオンの箱田 勝良さんだ。日本人は英語圏の外国人と会話中、気づかないうちに次のような嫌われるふるまいをしてしまっているという。

 1.日本語特有の応答を連発する

  「関心したときの『へー』、驚いたときの『えー』、相づちの『うん』など、つい出てしまう日本語特有の応答。一度うっかり言ってしまうくらいであれば問題ありませんが、口癖のように連発すると外国人はイラッとするようです。これらの応答は、外国人には日本語というよりも『音』として聞こえるそうで、とても耳障りなのだとか」

 2.会話中に目が合うと視線をそらす

  「会話中に目が合ったとき、視線をそらす行為も「何かを隠している」とか「話を聞いていない」という印象を外国人に与えます。日本では、凝視するのはむしろ失礼だといわれるせいか、アイコンタクトが苦手だったり、外国人の基準では少なかったりする人が多いようです」

 3.「鼻が高い」など外国人の身体的特徴をほめる

  「『鼻が高い』、『顔が小さい』など、日本人と異なる外国人の身体的特徴についてのコメントは、ほめ言葉のつもりでも、たいてい不快に思われているようです。自分の身体の不具合を指摘されているように感じるという外国人もいます」

 4.日本語がうまいとほめる・日本食が食べられるか聞く

  「簡単な日本語や箸の使い方を褒められたり、刺身や納豆などの日本食を食べられるかどうか聞かれたりするのは不快だという外国人が多いです。背景に『外国人には無理』という思いこみが感じられて、バカにされているように聞こえるそうです」

 5.照れ笑いをする

  「日本人は恥ずかしいときや困ったときに、照れ笑いをすることがあります。しかし場合によっては『真剣に聞いてない』、『どうでもいいと思っている』というような印象を与えて、不快に思う外国人もいるようです」

 6.あいまいな返事をする

  「あいまいな返事や会話を続ける気がないような返事を、不快に感じる外国人がいるようです。例えば、『お仕事は何をされているんですか』のような差し障りのないスモールトークは英語では普通のこと。なのに『まあ、いろいろ』とか『その辺の会社です』のようなあいまいな返事をされると、やましい仕事をしているように感じるようです。

 『週末は何をしていましたか』に対して、『特に何も』では“コミュニケーションを取りたくない”という意思表示のように聞こえるそうです」

 7.個人的な質問をする

  「個人的な質問、Are you married?(結婚してるの?)、Do you have a boyfriend?(彼氏はいるの?)、Do you have any children?(子どもはいるの?)、How old are you?(何歳?)などと聞く日本人が多いようで、外国人は不快に感じるとよく聞きます。

 英語では、こういったことは親しい間柄でしか話さないことですので、特に初対面の外国人にとっては違和感が大きいようです」

 ■嫌われ行動を回避するには?

  ではこれらの7つの会話中のNG行動を回避するにはどうすればいいだろうか。それぞれの回避策を箱田さんに教えてもらった。

 1.「日本語特有の応答を連発する」の回避策

  「I see.(なるほど)や I didn’t know that.(へー、知らなかった)など、ちょっとした応答のバリエーションを増やしておきましょう。英語でも同じ応答を連発すると耳障りですので、似たような応答をいくつか覚えておくと便利です。また、こういった応答だけでなく、I see. I’ll remember that.(なるほど。覚えておきますね)のように自分の感想や意見、行動など、何か1文を付け加えるようにすると印象がよくなります」

 2.「会話中に目が合うと視線をそらす」の回避策

  「アイコンタクトは慣れが必要なので、意識的に練習するのがよいでしょう。我慢をして、ふだんよりも少し長めに人と見つめ合うようにしてみましょう。また、目が合ったときには軽く笑顔にする癖をつけておくと好印象です。無表情やあまり堅い表情でアイコンタクトしても、誤解を与えてしまう可能性があり逆効果です」

 3.「『鼻が高い』など外国人の身体的特徴をほめる」の回避策

  「身体的特徴については話題にしないのが一番です。ネガティブなものはもちろん、日本では問題のないことであっても、たとえほめ言葉であってもです。ほめるときには、You look great.(カッコいい・きれいですね)のように特定の身体部分を挙げずにほめましょう。または、I like your shirt.(そのシャツいいですね)のように持ち物や服についてのコメントが無難です」

 4.「日本語がうまいとほめる・日本食が食べられるか聞く」の回避策

  「Can you eat natto?(納豆を食べられますか)ではなく、Do you like natto?(納豆は好きですか)のようにすると聞こえ方が変わります。基本的には、日本人に対して聞くときのようなつもりで話すといいでしょう。日本人が箸を使っていても『お上手ですね』とは言いませんよね。“外国人だから”という固定概念や偏見をなくすようにしましょう」

 5.「照れ笑いをする」の回避策

  「恥ずかしいときや困ったとき、失敗したときなどは、相手を気にせずに平然としていましょう。日本的な感覚でいえば、少々面の皮が厚いくらいの感じでちょうどいいのです。もちろん、謝罪が必要なときにはきちんと謝らなければいけませんが、“笑ってごまかす”は万国共通ではないと覚えておいてください」

 6と7.「あいまいな返事をする」と「個人的な質問をする」の回避策

  「個人的なことを聞いてしまったり、逆に知られたくないとあいまいな返事をしてしまったり、という点はどのラインまでが“個人的”なのかという文化的な差異によるもの。まずは、さまざまな価値観があると意識したうえで、判断がつかない場合にはIf you don’t mind me asking, …(もし差し支えなければ伺いたいのですが…)と前置きをしたり、Sorry, I don’t really want to talk about it.(ちょっと、そのお話はしたくないんです)と伝えたりすると誤解がないでしょう」

 ■外国人と英語で話すときのアドバイス

 箱田さんに、外国人と英語で話すに当たって、意識したいことのアドバイスをもらった。

 「英語が苦手でも、そのことについて恐縮する必要はありません。自信なさそうにしたり、もじもじしたりすることのほうが、かえって悪い印象につながることもあります。何語で話しているときも、どこの国の人と話しているときも、変わらずにいられるというのが理想だと思います。

 また、文化間の差を常に意識して、相手に配慮することは必須なのですが、同時にその差にとらわれすぎずに、むしろお互いの共通点を探していくような会話がおすすめです。つい自分たちの国や文化にないものに目が行きがちですが、文化を越えて共有するもののほうが多いことを覚えておきましょう」

 外国人との会話中は、日本人が意外と気づいていない失礼な言動があることが分かった。回避策を行うのはもちろん、言語や文化の差ではなく、共通点を探して注目する意識を持つことが大事といえそうだ。

 (取材協力)

  箱田 勝良さん

  英会話イーオン 法人部 教務コーディネーター。企業向け英語研修のカリキュラム企画と講師を担当。楽天の英語公用語化でも担当講師を務めた。TOEIC(R)L&R*テスト990点満点、TOEIC(R)S&W*テスト400点満点。実用英検1級。

  英会話イーオンhttp://www.aeonet.co.jp/

  *L&R means LISTENING AND READING. S&W means SPEAKING AND WRITING

 取材・文/石原亜香利