受験生家庭は知っておきたい! 大学入試で英語外部検定が有利な理由
▽一般入試で英語外部検定の利用は倍増
大学入試において、実用英語技能検定(英検)などの外部検定を利用する大学が急増している。その顔触れには東京大、早稲田大、上智大などの難関大学をはじめ、いわゆる「GMARCH」や「関関同立」などの人気校も並んでおり、これから受験を迎える子どもをもつ保護者には見逃せないトレンドではないだろうか。
2017年入試に英語の外部検定を利用した大学数は、推薦・AO入試では314校、一般入試では110校となっており、どちらも前年を上回る数だが、特に一般入試では前年比2倍超と増加が著しい(旺文社調べ)。
背景にあるのは、急速に進む社会のグローバル化だ。訪日外国人数は11年の620万人から16年は2400万人へと、5年間で4倍にも増加(日本政府観光局データより)。企業活動の舞台は世界市場に広がり、外国人と肩を並べて働く会社も珍しくなくなった。今後もさまざまな面でさらにグローバル化が進んでいくことが予測される。
さらに、20年の東京五輪・パラリンピックも間近に迫り、「英語が使えない」と言われる日本人の英語コミュニケーション力の向上は急務。すでに中学校や高校では、英語4技能(聞く・話す・読む・書く)をバランスよく育成することを目指す学習指導要領のもと、授業の改善が進められている。
しかし、大学入試の英語においては、大学が独自に4技能を測る難しさもあり、依然として「読む」を重視する傾向が強い。そこで注目されているのが、4技能を総合的に測定する検定の活用だ。20年から大学入試センター試験に代わって始まる新テスト「大学入学共通テスト」でも、英語は民間の検定・資格試験に段階的に移行させる方針が打ち出されている(20~23年の移行期間は現行方式の英語試験も併設の予定)。
そうした流れのなか、各大学の入試においても英語外部検定の採用が増加している。新テストは現・中学3年生からが受験対象だが、それ以前の受験生にとっても、英語外部検定への挑戦は入試対策の1つとなっているのだ。
▽検定結果が「出願資格」「加点」「得点換算」などに
では、英語外部検定利用入試とは、いったいどんな内容なのか。
ざっくり言うと、いずれかの検定において指定の基準をクリアしている学生が、出願や入試判定において優遇を受けられるというもの。多くの制度で複数の検定を対象としており、最も多く利用されているのは英検(推薦・AO入試の外部検定利用入試のうち96.2%/一般入試の同91.8%)で、TOEIC(R)やTOEFL(R)、TEAPなどの採用率も高い(旺文社調べ)。
もう少し具体的に、外部検定利用入試の主な実施方法を3つ紹介しよう。1つめは、指定の外部検定の級・スコアをもっている者に「出願資格」を与えるものだ。例えば関西大では、18年度入試から経済学部と政策創造学部の一般入試において、「英検2級以上」など8種類の英語外部試験のいずれかの基準をクリアした人のみ出願できる「英語外部試験利用方式」を導入する。
2つめは、指定の外部検定の級・スコアに応じて大学独自試験の総合点に「加点」する方式。例えば、東京理科大が18年度入試から開始する「グローバル方式入学試験」では、出願条件として6種類の外部検定の基準を設定し、選抜においては級・スコアに応じて大学独自試験に加点を行う。英検の場合、準2級以上あれば出願可能で、それが2級なら10点加点、準1級以上なら20点加点される。
そして3つめは、指定の外部検定の級・スコアを大学独自試験の英語得点として「得点換算」するもの。例えば千葉大国際教養学部の一般入試では、「英検準1級以上」など5種類の外部検定のいずれかの基準を取得していれば、個別学力検査の外国語の得点が満点の300点に換算される。また、満点の基準に達しない場合も、スコアに応じて5~30点の加点がある。
このほか、級・スコアによって大学独自の英語試験が免除されたり、合否判定の参考に使用されたりといった例もある。いずれも、前もって検定に挑戦して級・スコアを取得しておくことで、受験の選択肢や合格可能性を広げることができる。
注意したいのは、検定受験のスケジューリングだろう。例えば英検の実施は年3回なので、目指す入試の出願日までに級・スコアを取得できるよう計画的に挑戦しなくてはならない。検定に複数回挑戦することを見込むなら、いっそう早めの対策が求められる。一方で、「2年以内の取得者」などと期間を区切っている大学もあるため、取得が早すぎないようにする必要がある。
メリットの多い英語外部検定利用入試だが、従来型の「読む」を中心とした英語学習をしてきた子どもにとって、「話す」「書く」を含む4技能の検定への挑戦は余分な勉強のように感じられるかもしれない。しかし、今回の入試改革のねらいは、受験の先にある社会で求められる力を育成する点にある。これからの社会を生きる子どもたちにはぜひ、「大学入試の数点のため」だけではなく、「長い人生を有意義に過ごすため」という長期的な目標をもって検定に挑戦してもらいたいものだ。(藤崎雅子/5時から作家塾(R))
(注) 各大学の18年度入試の詳細については、今後大学が発表する最新の入試要項を確認してください
《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。
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