花粉症シーズンを乗り切ろう 今注目の「オンライン診療」 手軽で出費も保険診療並み
今年も本格的な花粉症のシーズンがやってきた。目がかゆい、鼻水が出る、肌がガサガサになる、倦怠感がする。こんな症状に悩まされている方も多いだろう。今や国民病とも呼ばれる花粉症だが、統計によると現在、日本では3000万人が罹患している。
▽スマホで診察を受けたい医師を選ぶ
市販薬を飲んでいる方も多いだろうが、やはり医師の処方薬が確かだ。とはいえ、この時期、予約をして病院に行っても大混雑で、1~2時間待たされることも珍しくない。そのために会社を早退するのは負担も大きい。また、病院で他のウイルスに感染するリスクもあり、通院するのが良いのかどうか迷うところだ。
こういった悩みを持つ人に向けて、この1月に花粉症専門のオンライン診療サービス「花粉症スマ診」が誕生した。文字通りスマートフォンだけで完結するサービスだ。
まず、スマホで診察を受けたい医師を選ぶ。10項目程度の問診に答えた後、医師による診察が行われる。診察はすべてチャットによる文字情報で行われるので、仕事の合間などの空き時間を利用して受診することができる。
その後、医師が処方する薬が最短翌日で自宅へ届く仕組みだ。支払いは、クレジットカードにて決済される。
▽治療パックやコースも充実
効率的に診察を行うため、5コースの治療パックも用意されている。エントリープランは、基準となる薬剤のみ(ニボラジン錠3ミリグラム)。スタンダードプランは、そこにもう一種類(フェキソフェナジン錠60ミリグラム、もしくは、ロラタジン10ミリグラム)加わる。いずれも花粉症の治療薬としては一般的なものである。
点眼セットプランは点眼液が加わり、点鼻セットプランには点鼻薬が追加される。そしてフルセットプランは、基本の薬剤2種に点眼薬、点鼻薬が加わったプランである。
処方薬は、14日、28日、84日(約3カ月)と3つの期間から選ぶことができる。料金は、スタンダードプランの場合、薬14日分で3980円、84日では12890円。点眼・点鼻セットは、14日分で4480円、84日分で14980円。フルセットプランになると、14日分で4980円、84日で17800円。
すべて診察代、薬代、送料込みの価格である。自費診療ではあるが、一般の保険診療(3割負担)とほぼ同等の価格になっている。
▽コストを下げられる秘密は…
その理由を、花粉症スマ診を立ち上げたネクストイノベーション代表取締役CEO(最高経営責任者)の石井健一さんに聞いてみた。
通常の対面診療の診療報酬というのは「基本診察料」「管理料」「処置その他」に分かれている。また薬局も「調剤基本料」「薬剤基本料」に分かれており、この内、大半を占めているのが、医師や薬剤師の人件費だ。
「オンライン診療にすることで、医師の人件費を削ることができますし、薬剤に関してもジェネリック薬品を使うなど、価格引き下げの工夫をしています。自費診療と聞くと高いというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、保険診療と同レベルのコストにすることも可能なんです」(石井さん)
処方する薬剤の日数が増えるほど、一日分のコストは下がる仕組みになっている。これも医師の人件費を削減したおかげで可能になっているという。ちなみにスタンダードプラン84日分の場合、一日あたり154円の負担で済む。
石井さんは薬剤師として製薬会社に勤務後、医療コンサルタントとして働いていたが、その中で現在の医療業界が抱える問題に直面。試行錯誤を繰り返し、オンラインの自費診療でも保険診療と同等のコストを実現したのである。
「花粉症といっても症状は様々です。重篤なアレルギーの場合は、もちろん病院へ行くことをお勧めします。減感作療法やレーザー治療も、病院でなくては難しい。弊社のサービスは、軽度から中程度の症状で、なおかつ忙しくて病院に行く時間がない、という方に使っていただければと思います」(同)
ちなみに、減感作療法とはアレルギーの原因物質を投与し、体を慣らして症状を和らげる治療法をさす。レーザー療法は、花の粘膜にレーザーをあてて腫れやむくみをとる治療法だ。
▽もちろん予防が一番の対処法
仕事が忙しい方はもちろんだが、育児中や介護中の方、地方住まいで近くに適切な病院がないという方にも、オンライン診療は便利である。
「花粉症のいちばんの対処法は、症状が出る前に薬を飲んでおくことなんです。そうすれば症状はかなり軽くなります。なんと言っても予防が重要です。スギ、ヒノキの花粉症は、一般にバレンタインデーから5月のゴールデンウィークまでが飛散時期と言われています。中でもピークは3月のホワイトデーから4月上旬にかけて。しっかり予防して乗り切ってほしいです」(同)
花粉症は春に発症するものというイメージがあるが、実際は一年中、様々な花粉が飛散している。秋のイネやブタクサ、ヨモギなどに症状が出る場合も多く、“秋花粉症”の患者は1200万人とも言われている。
仕事をしながら治療に通っている方、花粉症に困っている方は、オンライン診療を選択肢に入れてみてはどうだろうか。(吉田由紀子/5時から作家塾(R))
《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。
関連記事