社会人1年生に送る「張り切らないススメ」 上司や先輩はどう接すればいい?

 
※写真はイメージです(Getty Images)

 【元受付嬢CEOの視線】 4月1日。私はこの日が大好きです。街には希望に満ち溢れた新社会人たちをたくさん見ることができます。受付嬢時代に入社式に立ち会うことが多々ありました。緊張気味な笑顔で会場に入っていく姿。代表の話に目を輝かせながら頷いている様子。その想いをずっと忘れずに進んで欲しいなと思っていたことを思い出します。今回はそんな新社会人に送るお話をさせていただければと思います。(ディライテッドCEO 橋本真里子)

◆「今しかない1年目」を楽しもう

 社会人デビューがどんな思い出だったかによって、その後の社会人生活を左右すると言っても過言ではないと思います。是非皆さんには「いい社会人スタートが切れたな」と感じていただきたいものです。

 そんなみなさんにいきなりこんな話をするのはどうかと思いますが(笑)、常に心得ておくといいと思う一言は「張り切らない」です。

 社会に出て、どんな活躍ができるのかどんな部署に配属されるのか。全てが未知でワクワクしますよね。学生時代の友人とは違い、同期は仲間であり、ライバルでもあります。そして会社には学生生活とは比にならない数の先輩(上司)がいます。さらに学生生活は長くて数年…ですが、会社は数年から数十年同じ屋根の下で働くこともあります。

 そう考えると、継続的にモチベーションを維持し、いい関係性を保ち続ける必要があります。

 社会人として会社に貢献しようという「頑張る姿勢」は非常に好意的だと思います。しかし「張り切る姿勢」というのはともすれば一時的な印象を与えます。

 マラソンで例えるなら、スタートから飛ばしすぎて、途中からスタミナ切れ…という状況になってしまうのです。

 だから、肩の力を抜いて今しかない社会人1年目を楽しむというスタンスでスタートを切ることが、長期的に社会人を楽しむ一つのコツだと思います。

◆社会人にとって正解はひとつではない!

 そして「張り切らないススメ」にはもう一つ理由があります。

 社会人になったんだし、「これからは一人で何でもやらなくては! 自立しなくては!!」と考える人はたくさんいるでしょう。これを人によっては「もう人に頼ってはいけない」と考えてしまう人もいると思います。張り切るということは、このような考えを助長してしまう可能性があります。

 仕事というのは基本的に一人で行うことはありません。チームやお客様など周りに必ず複数の人が常にいます。ですから、「一人で何でもやらなくては!」という環境じゃないんです。社会に出てからは教科書もないですし、先生もいません。

 社会人にとって正解はひとつではない、と私は思うんです。自分自身が体当たりで経験し、周りにいる先輩や上司の方にいろんなことを教えてもらいながら成長していくんです。わからないことばかりで当たり前。今活躍している先輩や役職についている上司も必ず社会人1年生の経験を経て、今の活躍があるのです。

 そういった先輩に頼りながら、「わからないことだらけなんだよね」と同期に弱音も吐きながら、共に励まし合い、成長していける環境を作ること。これがいい社会人スタートを切るコツだと思います。

 私が受付をしていた時に見ていた新卒社員で好かれている人は、「とにかく素直」で「自然体」でした。自分には自慢できることは何もないけど、スポンジのように吸収します、という姿勢だった人には、先輩方もつい教えたくなるものですよね。

◆上司や先輩も歩み寄って

 そして、新入社員を迎える先輩方。みなさんもこの季節になると自分が社会人スタートした時の気持ちなど思い出す方も多いのではないでしょうか。初めは、「わからないことがわからない」という状況だったと思います。今は「どうしてこんなこともわからないんだ!」と思う日々かもしれません。

 この差って、社会人経験の年数で生まれてくるものだと思います。その差や壁を埋めるのは先輩からの歩み寄りではないでしょうか。

 まだまっさらな新雪のような新入社員の方に、どんな世界につながる道を一緒に作ってあげるのか。それを考えることは先輩や上司の大切な役割だと思います。

 新入社員の方もそれを迎える先輩たちも、今肩に入りすぎている力を少し抜いて、深呼吸して少しリラックスしてみてはどうでしょうか。

【プロフィル】橋本真里子(はしもと・まりこ)

ディライテッド株式会社 代表取締役CEO
1981年11月生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。11年という企業受付の現場の経験を生かし、もっと幅広い受付の効率化を目指し、16年1月にディライテッドを設立。17年1月に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は原則第二金曜日。

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