【5時から作家塾】泥酔すると暴言吐いたり暴力振るったり…人格が豹変する人、どうすれば

 

 酒に酔った状態で不適切な言動があったとして、度々問題となっている有名人がいるが、あなたの周りにも飲酒すると人格が変貌する人はいないだろうか?

 ある程度の酒量に達するとスイッチが入ったかのように人格が豹変する人がいる。よく知られるのは、笑い上戸や泣き上戸などであろうか。それでも1人で完結している分にはまだいいが、他人へ迷惑をかけるような絡み酒は問題だろう。

 思い起こすと、著者の母方の亡き祖父がそうだった。最初は普通に楽しく酒を飲んでいるのだが、ある酒量に達すると、突然、歌い出す。毎回、同じ歌だ。さらに酒量が増えると、戦争で南方のトラック島(現ミクロネシア連邦のチューク諸島)で散った戦友たちを思い出すらしく、さめざめと泣き出す。この段階まで来ると、慣れたもので祖母や母が出てきて、寝室へ連れていき寝かしていた。翌朝、祖父が起きると、歌い出した以降のことはまったく記憶にないようだった。

 祖父は、飲酒がある一定量に達すると起こる症状が完全にパターン化していた。同じように、泥酔すると暴言を吐くなども、アルコールによって引き起こされる1つの症状だと語るのは、都内のアルコール依存症などをリハビリする施設関係者。

飲酒で人格が変貌する症状が強い人は自分では飲酒を止められない

 「アルコールによって引き起こされる多種多様な症状は、病気でなく症状なので、治療法はありません。当然、薬もないので薬物治療の対象ではありません。飲酒によって多くの人が共通して経験する症状としては、飲酒時や帰路などの記憶があいまいになる『アルコール性健忘症』です。ひどい症状だと、普段は問題ないのに泥酔したときだけ盗みを働いたり、性的暴力を起こすような症状を発症する人もいます」(依存症リハビリ施設関係者)

 この話を聞いて著者はこの夏に経験した不愉快な記憶を思い出した。

 スイッチが入ったかのように変貌した男性

 8月の暑いときに知人が主催するビジネスセミナーへ参加した。この日のスピーカーは、関西を拠点に中古品売買を生業とする男性。著者が興味を持ったのは、彼が中国の深センなどに長年滞在して会社を経営するも、中国人スタッフに騙されて訴えられた裁判の中で、中国語をネイティブレベルまで磨き上げたとPRしていた点だった。

 セミナーの内容自体は平凡な物販の話だったが、男性の中国でのキャリアに興味を持ったので懇親会へ参加した。1次会は、寡黙な印象のセミナーの時よりも多弁になったくらいで、そんなに変わった印象は受けなかった。その後、2次会へ行き、参加者が帰宅し、5人ほどになったときのことだ。突然、彼がスイッチが入ったかのように変貌して、著者へ差別用語や放送禁止用語を連呼して罵倒し始めた(とてもここでは書けない)。

 突然すぎる事態に呆気にとられてしまったが、酒が入り失礼なことをしてしまったかと思い、謝罪して先に店を出た。帰宅の途上、記憶はしっかりしており、思い当たるフシはない。翌朝、起きても依然としてスッキリしないので、その場に同席してきたセミナー主催者と別の参加者へ確認をするも、特に著者が男性を怒らせるような発言はなかったと話す。

 男性には懇親会前に著者の連絡先を渡してあったので、もし、彼に自覚があれば、連絡があったはずだが、まったくなかった。察するに彼はまったく記憶がなく無自覚なのだろう。

 「治療法は、断酒しかありませんね」

 この不愉快な経験も前出のリハビリ施設関係者へ話し、どうすれば治るのかと尋ねると、

 「繰り返しですが、病気ではないので、治療法は、断酒しかありませんね。ですが、多くが無自覚なので指摘しても上の空で信じません。ですので、効果的な方法は、症状が起こっているときにスマホなどで録画してその動画を本人へ見せて、事実を認識させることです。それで断酒させるしか方法はありません」(同)

 これらの飲酒により変貌する症状がひどい人は、酒を飲みだすと泥酔するまで飲み続ける傾向が高いらしく、節酒では効果は低いそうだ。

飲みミニケーションや宴会が日本以上に重要な中国社会

 そう考えると、男性が豪語していた中国人スタッフに騙されて訴えられたという武勇伝も、自身の酒の席での暴言などが原因ではないかと勘ぐってしまう。

 若いのならともかく、人間、年を重ねてしまうと時間とエネルギーを割いてまで豹変している事実を伝えて断酒を進言してあげる親身な人なんていないのかもしれない。著者のように、ただ関わりを絶って去るのみだ。そう考えると彼が少し哀れに思えてくる。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R)

【プロフィール】5時から作家塾(R)

編集ディレクター&ライター集団

1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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