安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の第三の矢となる成長戦略につなげようと、政府の有識者会議で、正社員中心の労働市場の見直し議論が本格化している。勤務地や職務を限定したり、解雇規制を緩和したりするなどして労働市場が流動化すれば、成長産業への人材移動が円滑になって経済が活性化する、という論理だ。ただ、雇用の流動化は安易な解雇を助長する恐れがあるとして労働組合などから慎重論が根強い。政府が6月をめどにまとめる成長戦略の策定に向け、議論が過熱しそうだ。
労働市場の流動化は、政府の産業競争力会議や規制改革会議で議論が始まった。15日の産業競争力会議では、民間議員の長谷川閑史氏らが、「再就職支援金」という名目で企業が社員にお金を支払うことでの解雇などを含め、「合理的な解雇ルールを明文化すべきだ」などと提案した。雇用維持を目的に休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」を抜本改革し、転職向けの教育訓練や転職先への助成などに充てる案も出した。企業の事業再編における中高年の転職も支援。会社を辞めても失業期間をなるべく少なくし、成長産業に就職できるような制度を求めている。
規制改革会議でも、勤務地や職務が限定された労働者の雇用ルールの整備や、フレックスタイム制の見直しなどが提言された。