育休3年、待機児童解消…女性登用に力点 首相成長戦略

2013.4.20 00:33

 安倍晋三首相が成長戦略の中核に位置づけたのが、「女性の登用」だ。女性の社会進出は進むが、出産や子育てを機に仕事を辞める女性は今も多く、産後に職場復帰しようとしても保育所に子供を預けられないケースも多い。安倍首相は「育児休業3年」の推進を経済界に求め、待機児童解消にも取り組むとしたが課題は多い。

 厚生労働省によると、平成23年度の育休取得率は、女性87・8%(前年度比3・5ポイント増)▽男性2・6%(同1・3ポイント増)で、男女とも上昇傾向だ。ただ、厚労省の別の調査では、22年に出産した女性の54・1%が出産前後に退職したというデータもある。13年の同様の調査(67・4%)より13・3ポイント減少したが、いまだ過半数が仕事を辞めており、育休延長はこうした現状の打開策の一つといえる。

 育休延長は保育所の待機児童解消にもつながる。24年4月1日時点の全国の待機児童は、2万4825人(前年比731人減)。このうち8割に当たる2万207人は0~2歳児だ。子供が3歳になるまで育休制度を使えば、待機児童は一気に減る。

 ただ、育休中の賃金給付や人員確保などで企業側の負担は増加する。現在の制度では、育休中は休業前賃金の50%が雇用保険から給付される。国が約6・8%を負担し、残りを企業と労働者が折半しているが、育休期間が延び取得者も増えれば、労使ともに負担は増す。また、パートやアルバイトなど、働き方によっては雇用保険に加入しておらず、給付が受けられないことも考えられる。

 さらに、休業中に足りなくなる人員をどう補うかも課題だ。研究職など職種によっては、長期間職場を離れると復帰が難しいケースもあり、支援体制の整備も不可欠だ。

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