3月就活解禁、不安感じる学生たち 気になる「本選考の開始時期」

2013.4.21 08:00

就活繰り下げ要請で経済界トップとの会談に臨み、あいさつする安倍晋三首相=19日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)

就活繰り下げ要請で経済界トップとの会談に臨み、あいさつする安倍晋三首相=19日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】

【プロが教える就活最前線】

 安倍晋三首相が19日、首相官邸に経団連の米倉弘昌会長ら経済3団体トップを呼んで、平成28年春に卒業する現在の大学2年生から大学生の就職活動の解禁時期を大学3年生の3月(大学4年生になる前月)にするよう申し入れました。就職活動の開始時期は後ろ倒しになります。

 政府が「就職活動の3月解禁」を推進する背景には、資源小国の日本にとって、人材が産業競争力の鍵になるにもかかわらず、学力なども含め新卒人材の質が低下していることに対する危機感があるようです。

 要するに、新卒人材の質を高めるべく、学生が成長の機会を持ちやすいよう、就職活動に邪魔されることない状況を時間的に作ってあげましょうということです。では、当事者である学生たちはどう考えているのでしょうか。「内定塾」塾生に聞くと、意外にも好意的ではない意見が多く集まりました。そのうちの2例を紹介します。

【塾生Aさん】

「やりたいことが決まってない私にとっては不安です。企業研究の前に自己分析をすることを考えると、結局先輩たちとおなじように3年生の12月くらいから就職活動をはじめることになる気がします」

【塾生Bさん】

「重要なのは企業の広報活動の開始時期ではなく、本選考の開始時期です。企業の広報活動から本選考までの期間が短ければ、企業研究にかける時間がなくなってしまい、選考に万全の準備で挑めなくなってしまいます。仮に内定がもらえたとしても、想像と現実との間にギャップがあり、それに耐えられなくなってやめたくなってしまうのでは、と今から不安です」

 特に、塾生Bさんの意見から分かるように、大切なのは就職活動の開始時期ではなく、本選考までの期間。つまり、本選考までの準備期間です。今は3年生の12月から企業の広報活動が始まり、本選考まで4か月ほどあります。

 就職活動の開始が4年生の3月になっても、準備期間が同様に5か月ほどあれば、今までと何ら変わりはありません。それに加えて、学生生活に集中できる期間が3か月長くなるわけですから、そのメリットは大きいです。

 ただ、もし企業が広報活動の開始から本選考開始までの期間を今までよりも縮めるように動いた場合、学生は4年生の4月以前から就職活動を始めざるを得なくなります。

 そうなってしまっては、結局のところ、何のメリットもない働きかけになってしまいます。企業が政府の要請をどの程度受け入れるか、そこにかかってくると思います。(「内定塾」責任者 高嶌悠人)

 ここ10数年で新卒の就職活動も大きく変化してきました。新卒の就職活動は、世の経済状況や世相を反映しやすく、年によって状況が異なります。就活塾・予備校最大手の「内定塾」講師が週替わりで、就活事情の最前線をご紹介します。

内定塾:http://www.naitei-jyuku.jp/

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5000円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!