人気の高性能自転車(佐久間修志撮影)【拡大】
休日でにぎわう東京・丸の内のブランド街。その一角にあるイタリアの老舗自転車メーカー「Bianchi(ビアンキ)」の専門店では、カフェのような店構えに白やグリーンのカラフルな高級自転車が、通りかかる買い物客の目を引きつける。
店内にはウエアや整備パーツ、バッグもある。自転車はスポーツタイプ中心で、値札をみると4万円台から113万円までさまざまだ。
スタッフの斎藤太志郎さんは「最近は15万円以上のロードバイクが売れ、購入単価も2万~3万円上がった」と話す。
東日本大震災後、消費者の健康志向もあり、高性能自転車が人気になった。自転車産業振興協会によると、2月の販売台数は一般的な「シティ車」の前年比3・6%減に比べ、高性能な「スポーツ車」は8・3%増だった。「性能に納得すれば出費をためらわない人が増えた」(斎藤さん)という。
男性会社員(34)は、愛妻用にカゴ付きで5万円超の街乗りタイプ「プリマベーラL」を購入。「昨年までなら買わなかったけど、今年は『いい夫』です」。アベノ消費は、夫婦仲も上向かせる。(佐久間修志)