最終章のメッセージは、「今日、国債を通じて日本が問われている。」とするものだった。それは、今日のアベノミクスの成否も国債が握っているとする点にあり、国債問題は国民誰もが関わっていることになる。国債に関するリスクはあくまでもテールリスク(発生確率は低いものの、起きると被害が甚大なリスク)であるものの、それを念頭に置きながら出口戦略を考える必要があるというのが今回、示したかった点である。(1890円 中央公論新社)
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【プロフィル】高田創
たかた・はじめ 1958年生まれ。東京大学経済学部卒業、オックスフォード大学大学院修士課程修了。日本興業銀行入行後、興銀証券市場営業グループ投資戦略部チーフストラテジスト、みずほ証券市場営業グループストラテジストを経て2011年より現職。著書に『20XX年 世界大恐慌の足音』、共著に『金融不況脱出』『金融社会主義』『世界国債暴落』など