□『知の武装 救国のインテリジェンス』
■幕あけた東アジアの動乱を読み解く
≪手嶋龍一氏≫ 東アジアに動乱の幕があがり始めている-。佐藤優さんとの対論を『動乱のインテリジェンス』と名付けて、東アジア政局の過去・現在・未来を読み解いたのは、日本の民主党政権が崩れつつあった1年あまり前のことでした。今回の著作は、安倍政権の出現、中国の攻勢、超大国アメリカの凋落(ちょうらく)という新たな情勢をインテリジェンスの視点から読み解いてほしいという読者の要望に応えたものです。
中国の指導部は尖閣諸島(沖縄県石垣市)を真剣に奪い取ろうとしている。本書では一貫してそう断じてきました。しかし、日本のメディアでは、北京の指導部が、共産党の腐敗や貧富の格差に対する民衆の不満をそらすために尖閣問題を弄んでいるという見方が支配的でした。今回の尖閣諸島を含む防空識別圏の設定こそ、日本の領土を奪い取ろうとする意図を示すものに他なりません。これに対抗するには亀裂が生じている日米同盟を一刻も早く再建し、中国に対して日本が一層の道義的高みに立つことこそ急務であることを論じています。