【著者は語る】建築家、神奈川大学工学部非常勤講師・鈴木信弘氏 (1/2ページ)

2014.2.22 05:00

 □「片づけの解剖図鑑」

 ■本当の整理は家づくりから始まる

 あなたの家は、段ボールいっぱいのリンゴが送られてきたら、どこに置きますか? あるいは、帰宅して真っ先に脱ぐコートやマフラー、これらはどこに掛けるでしょうか?

 実はどちらも、玄関のそばに適当なスペースをつくっておくとスマートに収まります。しかし残念なことに、玄関脇にそのような場所を設けている家は、あまり多くないのが実情です。

 もしかして、あなたの家が散らかりやすいのは、そんなところに原因があるからでは?

 本書は、片づけという観点から「散らかりやすい家の建築的原因」と、片づけやすい家づくりの提案を図解しています。

 「ウチも大きな収納スペースがあれば片づくのに…」。これは間違い。収納は、大きなものをまとめてつくるより、小さなものをあちこちにつくったほうが、毎日の片づけがラクになります。爪切りや耳かきは、いつも使う場所の近くに置いておいたほうが断然便利ですよね。

 「窓が大きなリビングって開放感があってすてきよね…」。これもアブない。たしかに開放感は抜群ですが、大きな窓を取ることで壁の面積が小さくなれば、ソファやチェストといった家具を置く場所がなくなります。特に収納家具が置けなくなるのは、片づけにとって致命的欠陥。

 人は皆、朝から晩まで折り目正しくは生きられません。それだけに、家はあらかじめ「散らかりにくい形状」でつくっておかないと、住み始めてから何かと苦労が続くのです。

 「住宅の設計でいちばん大切なのは間取りではない」。これが私の持論。「片づけのツボさえ押さえておけば、あとは自由に」。本当に心地よい住まいとは、そのような発想から生まれます。いわゆるカリスマ主婦が教えてくれる片づけのテクニックも、モノを減らす生き方も、あくまで「事後的な対応」に過ぎません。本当の片づけは、家づくりの段階からすでに始まっているのです。(1470円 エクスナレッジ)

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