□「浅利妙峰の母になるとき読む本」
■食を通じて子育ての楽しさ伝えたい
塩糀のおかげで糀についての講演を全国でさせていただくようになり、そこで参加されたお母さま方が想像以上に子育てに悩んでいることを知りました。
かつては家庭教育、学校教育、社会教育が教育の三本柱でしたが、地域力の減退で社会教育が影をひそめ、核家族化が進み、家庭の教育力も弱体化している中、情報だけが氾濫し、何をどうすればよいのかの価値判断がとても難しい時代になっています。しかし、時代は移っても母性は不変です。母性とは本来、女性の持つ子供や弱者を守り、育てたいという慈悲心であり、母性は磨きだすもの、鍛えられて光り始めます。私はその母性を引き出す応援をしたいと願い続け、この度子育ての本を出版するご縁をいただきました。
理想と現実のはざまに立ち、笑いあり涙あり、試行錯誤しながら実践したわが家の子育ては、江戸時代の貝原益軒の著書「和俗童子訓」が指南書です。日本で最初の体系的な教育書で、江戸期の寺子屋教育にも強い影響を与え、幼児教育の大切さや年齢別の対処法が書かれています。それを浅利家風にまとめました。