ガパオを食べているあいだも、売り子が入れ替わり立ち替わり現れる。ナッツやフルーツ、ドリンクといった一般的なものから、タバコやティッシュペーパー、ボールペンやメモ帳などの文房具。両腕いっぱいに赤や黄色のカラフルなハンモックを抱えた売り子もいる。列車内でハンモックを売るとは。いったいだれが買うのだろうか。
興味を覚えて見守っていると、芥子色の僧衣をまとった50がらみの痩せた僧侶が、赤色のハンモックをひとつ買い求めた。
■取材協力:タイ国政府観光庁
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。