2015年春闘で、経団連の榊原定征会長と連合の古賀伸明会長が29日、東京都内で会談した。今後春闘が本格化するが、業績の格差がある個別企業の労使交渉で、昨年を上回るような賃上げが実現できるかどうかが焦点になる。
会談では、榊原会長があいさつの中で、「経済界としては積極経営を通じ、収益を高め、設備投資や雇用の拡大につなげ、賃金の引き上げに向けて最大限の努力をする」と、賃上げの重要性を改めて表明。労使が協力して、生産性向上や競争力強化に取り組むよう呼びかけた。
これに対し、古賀会長は今の形式になって60年目の節目を迎える春闘について「不安定化する社会課題解決に向け、労使が意見交換するという大きな意味を持つ」との認識を示した上で、賃上げや経済格差の是正、長時間労働の是正についての議論を訴えた。
連合は今回、昨年の「月給の1%以上」を上回る2%以上のベースアップ(ベア)を要求。一方、経団連は、春闘方針に当たる経営労働政策委員会報告で「ベアは選択肢の一つ」としながらも、連合の要求に対しては慎重な構えも見せている。各労組は今後、要求書を会社側に提出し、3月18日が大手の集中回答日になる。