新宿メンタルクリニックでTMS治療が始まったのは13年6月から。以来1000人弱の症例を診てきたが、そのうち30回の治療後に正常なレベルまで戻った寛解率は約6割ほど。さらに改善が見られた患者が84%という。
当初の改善率は8割前後だったが、左側の扁桃体だけではなく、右側の扁桃体にも刺激を与えるようになってから効果が上がっていったという。「左はどちらかというとアクセル。右はそれを制御するほうです」(川口院長)。左側への刺激で躁状態になったものを右側への刺激で抑え、変動幅を小さくするイメージだ。
TMS治療は週2、3回のペースで受診し、5回ごとを目安に臨床心理士からカウンセリングを受けることが必要だ。もちろん患者から申し出れば医師の診察を受けることができ、機器を扱うトリーターも会話から患者の状態を探ろうと努力する。適切な治療を続けていくため、患者の状態を常に把握しておくことが欠かせない。
川口院長は「最初は左側だけ刺激して一発で治って万歳してたのですよ」と少し自嘲気味に(米国における)初期段階のTMS治療を紹介。米国では脳に電極を埋め込み、扁桃体のさらに奥にある25野と呼ばれる部位に直接磁気刺激を与える治療が始まっているという。新宿メンタルクリニックでも症例を加えるごとに日々治療法が進化していくことを実感している。