30~40代が地方へ引っ越す「子育て移住」が増えている。シニアが主流だった地方回帰が様変わり。地方都市への転職や祖父母の地元に戻る“孫ターン”の動きが出てきた。東日本大震災で首都圏の都市機能がまひした体験なども背景にあるとみられる。地方創生が重点政策となる中、自治体も支援策を打ち出し、大きな流れとなりそうだ。
震災時に都心のIT関係会社で働いていた佐藤正彦さん(35)は交通や物流が止まり、首都圏暮らしに疑問が湧いた。長女(4)の育児環境を考え、平成24年7月に岡山市へ移住。建設会社で情報通信系工事の施工管理の仕事に就いた。移住希望者の相談に乗るボランティア団体を設立し、「人間関係が深まり、生活が大きく変わった」。
同市は充実した交通網や教育環境で人気が高い。市はワンストップで相談に応じる移住・定住支援室を25年度に設置。初年度に相談を受けた240組の約6割が30~40代だった。
東京都内では毎週末、各地の自治体が移住セミナーを開く。
富山県朝日町が4月に実施したセミナーでは先輩移住者、善田洋一郎さん(33)が「富山市が近く、黒部市に大企業がある。仕事はある」と呼びかけた。名古屋市の会社勤めなどを経て東京出身の妻(35)と24年11月、妻の祖父母が住んでいた家に孫ターン。林業に従事し、2人の男児に恵まれた。