平成27年3月に卒業した大学生の就職率(4月1日時点)は96・7%(前年同期比2・3ポイント増)と、4年連続で上昇したことが19日、厚生労働省と文部科学省の調査で分かった。統計開始以降、最高だった20年(96・9%)には及ばなかったが、ほぼリーマン・ショック以前の水準まで回復した。厚労省は「景気回復により企業の採用意欲が高まった結果」(若年者雇用対策室)と分析している。
一方で約1万3600人の学生が就職できていないと推計されており、ハローワークなどを通じて既卒者の就職支援を続ける。
調査は全国の国公立、私立大の中から計62校を抽出して実施。就職希望者約41万700人のうち、約39万7100人が就職したと推計した。
男女別の就職率は、男子が96・5%(前年同期比2・7ポイント増)、女子が96・9%(同1・7ポイント増)でともに改善。3年連続で女子が男子を上回った。文系理系別では、文系96・5%、理系97・2%で「理高文低」の傾向が続いている。
地域別では中部と中国・四国が最も高く97・3%。近畿が97・1%、関東96・9%、北海道・東北95・3%、九州94・7%と続き、すべての地域で前年を上回った。