鬱病、認知症にもチョコレート効果 大規模実証実験でBDNF増加 (2/2ページ)

2015.5.20 15:13

最終研究結果発表でBDNFの増加を報告する大澤俊彦教授

最終研究結果発表でBDNFの増加を報告する大澤俊彦教授【拡大】

  • 「チョコレートはもっと食べていい」と話す大澤俊彦教授

 愛知学院大心身科学部学部長の大澤俊彦教授は、因果関係は明らかになっていないとしながらも「BDNFが増えるということは認知機能が増大し、認知症の予防が期待できるということ。BDNFは世界中で注目されている」と認知症予防効果の可能性を示唆した。

 BDNFは神経細胞の発生・成長・維持・再生を促進させる脳にとって重要な栄養分で、とくに記憶や学習能力を司る海馬に多く存在する。65歳以上では加齢とともに減少するほか、鬱病やアルツハイマー型認知症などの精神疾患でも減少する。

 運動によって血流が増えることでBDNFが増えることは既に明らかになっているが、中間報告で発表したようにカカオポリフェノールが血管を広げたことに加え、カカオポリフェノールの抗酸化作用も影響している可能性がある。抗酸化物質が運動による酸化ストレスを抑えたことで海馬のBDNFが増えたというラットを用いた実験結果があり、論文も出ているという。

 大澤教授は「欧米と比較して日本人のチョコレートの摂取量は少ない。嗜好食品だがもっともっと食べていい。とくに苦味の強いものを広めていきたい」とし、「機能的になりすぎてはいけないが、健康を考えたおやつ、間食は大事だと思う」と話している。

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