【書評】『世界に嗤われる日本の原発戦略』高嶋哲夫・著

2015.5.30 05:00

 ■再稼働を考える手掛かり説く

 チェルノブイリ原発1~3号機の解体がようやく決まった。

 同原発4号機が大事故を起こした後も1~3号機は運転を続けたことで知られている。ウクライナとしては電力不足を防ぐため、運転を続けざるを得なかったのだ。

 世界的に見れば今後、人口増と生活水準の向上を背景に電力需要は急増していく見通しで、原発の建設ラッシュは当分続きそうだ。「日本一国の視点で原発の賛否を論じるだけでは駄目で、世界的なスケールで物事を考えなければ、日本も世界も成り立たない状況」と著者は説く。原発再稼働について考える手掛かりに。(842円、PHP新書)

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