【書評】『戦争と平和-〈報道写真〉が伝えたかった日本』

2015.8.22 05:00

 ■戦前と戦後の連続性を捉える

 報道写真と聞くとジャーナリズムの印象を受けるだろうが、もともとは写真家の名取洋之助が1930年代初頭にドイツから移入した「ルポルタージュ・フォト」を日本語に訳したものだ。本書では30年代から50年代にかけて最先端の写真表現として外客誘致や五輪広報、国威発揚に使われた報道写真を中心に、国策と歩みを共にした表現者たちが描いた軌跡が多くのカラー図版とともにたどられている。

 とりわけ興味深いのは、戦前と戦後の報道写真を断絶ではなく連続性のもとに捉えている点だ。その担い手たちがしたたかに理想の写真表現を追い求めていったことが明快に示されている。(白山眞理、小原真史・著/2160円、平凡社)

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