田口さんによると、昭和60年代はお歳暮やお中元を贈ること自体が重要で、保存食品など実用的なものが好まれた。その後、平成にかけてのバブル期には、ブランド品や有名料亭の品などでアピールすることが流行した。企業や官公庁で形式的な儀礼習慣を廃止する動きが広がった平成15年以降は、親しい人への贈り物として内容が吟味されるようになった。
近年では、他人に贈るだけでなく、自分も「味見したい」「楽しみたい」という動きが出てきたのが特徴で、田口さんは「親しい人と自分のライフスタイルを共有したいという考えが主流になってきたのだろう」と分析している。