電車の車内吊り広告の「くまモン」。観光振興にも一役買っている【拡大】
ヒットするのはごく一部
一方で、知名度が上がらぬまま「引退」を余儀なくされるキャラクターも少なくない。言い換えれば、ヒットする“ゆるキャラ”はごく一部にすぎない。ゆるキャラの多くはパッケージにキャラクターをつけるなど既存商品のデザインを変えるだけに使われている。事業者は商品にキャラクターを付けて売ればいいので簡単に便乗できるが、製品の技術やサービスなど商品そのものの力で売れているわけではないので、キャラクターが飽きられればそこで終わりだ。
アンテナショップ主催のイベントにゆるキャラが登場することもあるが、せっかく地方自治体が厳しい財政状況のなかから税金をつぎ込んで開発したキャラクターたちだ。単に商品にキャラクターを付けて売るだけではもったいない。地方発の情報発信や観光振興などにもっと活用できないものか。
地方の産品を物販するアンテナショップは都会の住人にはうれしいことだが、ほとんどが地方からの一方通行だ。観光や移住など都会から地方への逆方向の動きがなければ、地方の経済は次第に縮小してしまう。生鮮品や特産品の担い手がいなくなってしまえば、アンテナショップという業態は成立しない。アンテナショップの存続のためにも地域の活性化を促す工夫が必要だろう。