【江藤詩文の世界鉄道旅】和諧長城号(1)“万里の長城”まで…電車代は110円!?「安かろう悪かろう」かと思ったら… (2/2ページ)

2016.3.13 18:00

これから乗車する「和諧長城号」

これから乗車する「和諧長城号」【拡大】

  • 万里の長城への起点となる「北京北」駅
  • 入り口の外にあったきっぷ売り場と時刻表。きっぷを購入後、手荷物検査を受けて構内に入る
  • 広々とした待ち合いスペース。電光掲示板も見やすい。奥には便利店(コンビニ)もあった
  • シンプルな乗車券。車内では1度車掌が検札に来た

安いだけじゃない、正確で清潔、乗り心地良好

 それにしてもびっくりしたのは、運賃の安さだ。体感として、北京は東京より物価が3割ほど安いように感じたが、それにしても1時間半ほど乗って一等車で17元、二等車なら6元(約111円)というのは驚くべき値段ではないだろうか。東南アジアなどの経済的に貧しい国では、安い移動費に出合うこともあるが、その場合はボロボロの列車やまったくアテにできない運行状況もセットになってくる。

 ところが、北京の場合はまったく不便さを感じない大都会で、列車はほぼ正確に運行し、混雑してはいるものの、列車自体は清潔で乗り心地も悪くない。国内旅行がこれだけ活性化しているのも、この運賃が一端を担っているのではないか。だってこの値段なら、休みの日に用がなくてもどこかへ行きたくなるのだから。

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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