【書評】『食べる私』平松洋子・著 人間の真実に触れる瞬間

2016.5.7 05:00

 〈よけいな手間や段取りは、人生の無駄。満足感と満腹感があれば、もう充分〉

 これが著者が“発見”した鬼才、デーブ・スペクターさんの食事哲学だ。

 『オール読物』に連載した「この人の今の味」を単行本化。100歳を過ぎても意欲的に創作を続ける美術家の篠田桃紅さん、探検家や料理研究家ら各界の29人が登場する。

 著者は食を通じて「人間の真実に触れる瞬間」を求めた。

 「食べることには可笑(おか)しさがある」(樹木希林)。食の好みや食べ方には、その人の半生と哲学が投影されていた。長年、食に関わった著者ならではの極上の対話集だ。(1890円、文芸春秋)

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