そう、「政治とカネのグローバル化」は教えてくれる。違和感を覚えるニュースを点ではなく線でつなげると、世界の裏側があぶり出されてくることを。そのアンテナを磨くのは、情報に対する直感と想像力、そして他者への優しさだ。
「今だけカネだけ自分だけ」の対極にある、私たち日本人のDNAが持つ「お互いさま」の精神。それは世界で同じように強欲資本主義と闘うたくさんの市民とをつなぐ、目に見えない懸け橋になるだろう。今夏始まった18歳選挙が、今ほど価値を持つ時代があっただろうか。世界が2つの価値観を前に岐路に立つ今こそ、私たち大人も、脳内世界地図をアップデートするチャンスなのだ。(864円 角川書店)
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【プロフィル】堤未果
つつみ・みか 国際ジャーナリスト。東京都生まれ。ニューヨーク州立大学院国際関係論学科卒業。国連、NGO、米国野村証券を経て現職。日米を行き来しつつ、執筆・講演・メディア活動を続ける。多数の著書は海外でも翻訳されている。『ルポ 貧困大国アメリカ』で新書大賞/エッセイストクラブ賞、『政府は必ず嘘をつく』で早稲田大学理事長賞受賞。