形式的な取得率よりも、実質的に求められているのが、夫の日常的な家事・育児参加だろう。ところが、総務省の23年の調査では、6歳未満の子供がいる家庭で夫が家事・育児に従事する時間は1日当たり1時間7分(うち育児は39分)にとどまる。米国の3時間13分(同1時間5分)やドイツの3時間(同59分)に比べると3分の1という低水準だ。政府は32年にまずは2時間30分まで増やすことを目標にしている。
ちょっと恐ろしい統計データ=グラフ=がある。夫が休日に家事・育児をする時間と第2子以降の出生率の関連性について、厚労省が23年に調査したものだ。
それによると、夫が家事・育児をまったくしない夫婦の第2子以降の出生率は9・9%にとどまった。家事・育児時間が増えるほど出生率は高まり、6時間以上では67・4%にまで上昇した。つまり、休日に夫がゴロゴロしてテレビばかり見ていると、1人の女性が一生に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率が人口維持の目安とされる2・07(27年は1・46)をどんどん下回り、少子化が加速して日本は滅びかねないのだ。